虫の話になります。
少しだけ写真もあります。
苦手な方は閉じましょう。
我が家には、種から育てたゆずの鉢植えがあります。
適当にバッサリ切ったり、捨てかけたり。
それでもなお元気に生きている、2鉢。
9年前に咲いた花の種から育てた彼らは、まだ花をつけることはないけれど。
のんびりと、私たち家族とともにある。
昨夏引っ越してきたいまの物件は、日当たりが良いので、なんとなく春の成育も良かった気がする。
そんなユズ鉢、今年も葉っぱにアゲハチョウが卵を産みにやってくる。
夕方にチェックすると毎日数個は産みつけられていて、ついチェックを怠ったときにはしっかり孵化して、黒い幼虫がいたりする。
『ユズを丸坊主にしたくない』のと
『そもそも虫見たくない』のとで、
卵を見つけたら、砂利の上にポイッとします。
虫状態の方は、申し訳ないけど砂利そのものでブチッとします。
「滅殺ゥゥゥ!!!!」と言いながら。
「駆逐してやる…!!!」と言いながら。
ごめんね、
ユズのほうが大事なのよ。
で、
最近卵産みつけられなくなったなぁーと思った頃。
そういえば我が家、みんな虫嫌いだから育てたことないよなぁ、
せっかくなら一匹くらい残してみれば良かったかなぁ、
ユズ鉢を守るためなら、虫かごに葉っぱ入れて育ててやれば良かったよなぁ、
滅殺しまくってごめんね、、
駆逐するのやめるね、、(またの機会があれば)
などと思っていたある日。
「え??
立派な青虫いるんですけど????」
毎日見てたのに、すべて滅殺駆逐してきたのに。
いる。
ユズの葉に枝に、紛れて、
立派な。
アゲハ特有の、
目玉模様をもった方が。
↑わかるかな??
初見の感想
「あなたどこから来たの!?」
でした。
本当に分からない。
卵も幼虫も、毎日確認して駆逐してたから。
ただ、ここまで育った個体を見ると、
最初こそ「ぎゃあ〜〜〜」だったのが、
「目玉模様かわいいなヨシヨシ」になってくる。
前述のとおり、飼ってみるのもいいかな…?とほんのり思ってたこともあり、
一匹だけなら…と、見守ることにしました。
が!!!
ある朝。
いない…。゚(゚´Д`゚)゚。
毎日でっかいう◯こが葉っぱについてたのに、
新しいう◯こが今朝はない。
やだ、ついに愛想つかして出てってしまったかしら、、
ユズに肥料あげたせいかしら、
せっかく昨日末っ子とお風呂入ってるときに、イモムシに名前つけたのに、、
どこに行ったのか。
気になりつつ私は出勤。
夕方、もう一度よく探した
ら、リビング窓サッシの下、壁に張り付いている。
わーー!いたよ!いたいた!
なんでこんなとこいるんだよぉお前ぇぇ
木に戻す??
え?戻したほうがいいよね??
えっでも触れないんだけど
まいっか
園芸用のシャベルで拾うようにすれば
ん?とれないな、なんで???
あっとれた
やだ元気ないな
木にも戻る力ないじゃん
死んじゃうのかなぁぁぁぁぁ
…
……
お気づきの方も多いでしょう。
アゲハチョウの、《目玉模様のある幼虫》は、幼虫時代最後の姿。
終齢幼虫と呼ばれる彼らは、蝶へと羽化するため、蛹になる場所を探し求めてさまようのです。
そして、良い場所を見つけるとそこで体に糸をかけ、固定して落ち着きます。
蛹に変態する前には、体をくの地のように少し曲げて、前蛹(ぜんよう)と呼ばれる状態に。
蛹になるために体内の変化は始まっているので、このときには、決して触れてはいけません。
決して、
動かしてはいけません。
…
……
知らなかった!!!
私が外壁で見つけたのは、おそらく既に前蛹の状態。
軽く触って動かなったのは、きっと糸かけを始めていたのでしょう。
触っちゃいけない時期に、
シャベルでカリカリ剥ぎ取って、
結果コンクリに突き落とし、
枝に掴まらせようとした挙げ句
もう一度土の上に落とした
という悲劇。
まぁまだそんなことを知らない無知な私は、
翌朝
「やっぱ土の上から動かないよー」
などとのたまうわけです。
そして夕方、
「なんか色変わってきたよ」
「やっぱり死んじゃうのかな」
と観察。
少しして末っ子が
「動いてるヨゥ」
と言うので、改めて見ていたら、
え??
これ蛹に変わってる途中じゃない!!?!
なんかツノみたいな感じになっている。
まじでか
土の上で蛹になろうとしている…
で、、?
これ動かすのが正解?
動かさないのが正解???
もうめちゃくちゃ調べる。
すきま時間にスマホで調べる。
夜時間にiPadで調べる(大画面の幼虫しんどい)
『動かさないように動かす』ことを決めた。
こちらを参考に…
蛹ポケットなるものを仕立て…
軸の割り箸を、ゆずの鉢植えにそのまま挿しました。
そして10日ほど経った雨の夕方。
職場から帰宅したタイミングでの観察。
「羽化してるーーー!!!」
朝から強い雨だった日。
雨の日になんて羽化しないだろうと思っていたから、驚き。
雨に打たれながらもしっかり枝に留まっている。
でもよく見ると、羽に穴が空いている。
アゲハ特有のヒラヒラが欠けたりもしている。
やっぱり前蛹のときいじったから…?と悔やむ。
翌朝、まだずぶ濡れの枝に、変わらず止まる姿。
天気の戻らない夕方、なお動かない姿に、これは飛べないのかなあ、としょんぼりする。
飛べたとしても敵にやられちゃうよなぁ。
ユズ鉢の近くに、花が咲いている鉢植えすべてを持ってくる。せめて生かしたい。
更に翌朝。
まだいる。
……
決めた、捕獲してカゴで育てよう、
昨日飛べないチョウの給餌についても少し調べたし。
一時間後
小学生の登校見守りを終えた夫が言う。
「アゲハチョウいないよー?」
え!!??
確認しに外に出るがしかし、いない。
「さっき羽広げてたから、最後の最後に乾かしてたのかなぁ」
いない…
飛び立った?
飛び立てた……??
『アゲハチョウのはーちゃん』と名づけた、我が家が初めて愛をもって接したチョウ。
少なくとも家の近くにはもういなかった。
「また会えたら、羽の穴と形で、はーちゃんって分かるね」
そんなことを言いながら、
空っぽになった柚子の木を眺
め
……
アッ
「また卵産みつけられてるーーー!!」
はーちゃんが羽化できなかったら、また次の卵育ててみようね、
はーちゃんの次はひーちゃん、ふーちゃんかな
ってそんな話をしてはいたんですが。
さっそく現れた新世代!!
卵駆逐できなくなっちゃった\(^o^)/
まーちゃん、くらいまで数えたあたりで(いすぎ)
末っ子が「ぜんぶはーちゃんがいい」と言い出した。
結局、見つけた卵を捨てることなく、7月を迎えるいま。
8匹もの青虫が、ふたつのユズ鉢でひしめきあっています笑笑笑
もう完全にハゲユズですわwww
青虫になると食べる量半端ないのね、ということを、30代最後の夏に知りました。
羽化って見ると感動するね。
羽化の瞬間も見てみたいな。
はてさて。
次はどんなアゲハチョウが見れるかな。